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青年座研究所は俳優を目指す みんなの夢が共鳴する場所
●劇団青年座は50年以上の歴史があり、劇団員も大勢いますが、劇団員になるには研究所を卒業することが条件ですか? 小暮 私はまだ準劇団員ですが、劇団には20代から80代まで幅広い年代の役者が100名以上在籍しています。ベテランの方は別ですが、多くの劇団員は青年座研究所の卒業生です。本科1年、実習科1年を経て、毎年数名が劇団に採用されます。ただし本科1年と同等の演劇教育を終了していれば、試験を受けて実習科から入ることもできます。私も大学で演劇を学んでいたこともあり、実習科から入りました。
●現在、実習科の3人は本科からですか? 菊本 はい。私は専門学校で2年間演劇の勉強をしてから入りました。リアルな芝居が好きだったので、身近な題材を舞台に反映させている青年座が自分には合っていると思ったんです。 落合 僕は地元埼玉県の県立芸術総合高等学校の舞台芸術学科を卒業したあと、1年間いろいろな養成所を調べて、芝居の面白かった青年座研究所に決めました。 宮島 私は研究所に来るまでは芝居経験はゼロ。それまでは大学で建築の勉強をしていたバリバリの理数系の人間でしたから研究生の中ではちょっと異色の経歴かもしれません。
●いろいろな経歴の人が集まってくるんですね。 宮島 年齢層は18歳から25歳までで、高校を卒業したばかりの人から社会人の人まで様々です。高校の演劇部出身者もいれば、専門学校や大学で演劇の勉強をしてきた人もいるし、私のようにな未経験者もいます。 落合 いろんな人が集まっているから面白い。 菊本 馴れ合うわけでもなく、だからといってライバルみたいに蹴落とすような間柄でもなく、お互いを刺激し合いながら高め合っていく関係です。 宮島 目指す目標は一緒だからね。団結力はあります。みんなで成長できたらいいと思います。 小暮 みんな本気で役者になろうと思って来ている人ばかりだから、大学のときとは本気度が違っていました。
●研究所は大学や専門学校、高校とはだいぶ違いますか? 落合 高校とは全然違う!研究所は“学校”ではありませんから。教えてもらうのではなくて、自分から積極的に芝居と向き合わないと成長していかない。最終的に劇団に上がる人は数名だし、研究所の本科から実習科に上がるときでも半分は落とされてしまうわけですから生半可な気持ちでは生き残れない。 小暮 ここはガチンコ! 菊本 専門学校は自分の方向性を見つけるための猶予期間と考えればすごく有意義ですが、本気でプロを目指す人からそうでない人までいろいろいて意識の差が大きかった。 小暮 研究所では先生の存在も大きい。私たちを育てようとすごく一生懸命です。 |
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たとえば、発声の鈴木先生という方がいらっしゃるんです。演技の専門家ではありませんが、発声の観点から演技について熱心にアドバイスを下さる。単に一つの技術を教えようとするのではなく、芝居と関連付けて指導して下さるので、すごく勉強になります。 菊本 他の先生も根気よく接してくれて見捨てないでいてくれる。 宮島 親と一緒で育てる気がなかったら見捨てている。叱ってくれるのが最大の愛情ですね。 落合 愛を感じます(笑)。
基本をみっちり身につけ ありたっけの自分を試す
●レッスンはどんな内容ですか? 菊本 本科では身体づくりのための基礎訓練や発声・声楽などを学ぶ演技基礎、そして演技実習です。 落合 「フィジカル・コーディネーション」では、シャトルラン、腹筋、腕立て伏せなど、運動部ばりのメニューで役者として必要な身体を作ります。1年後に体力測定では多くの人の数値が軒並みアップしていた。 宮島 「地唄舞」を習えたのもよかった。日舞に比べて静かな踊りでも、太ももの内側とか思いもよらなかった箇所が筋肉痛になったり伝統芸能の奥深さを知りました。着物文化に触れられたのも貴重な体験でした。 小暮 地唄舞やバレエのレッスンなどは、技術を学ぶことはもちろん、そうした芸術を肌で知ることができるだけでも意義があることです。 菊本 私が研究所のレッスンで一番印象的だったのが「アレクサンダー・テクニーク」というレッスンでした。これは心と身体のバランスを整え、緊張やストレスを取り除き、より自分らしくいるための考え方と方法です。私たちは日常、普通に寝たり、座ったりしている動作の中にも人それぞれのクセや緊張がかかるもの。そうした日常の動作を先生と1対1で向き合いながら、余分なクセや緊張を取り除いていくんです。つまり、自分を常に自由な状態にしていくためのレッスンです。 落合 舞台の上では自然に歩くことだって意外と難しい。こうしたレッスンを通して常に自分の使い方を意識し、それが自然な演技にも繋がっていく・・・。 宮島 でも、それがすごく難しい。 小暮 実習科では成果を年3本の上演実習を通して試される。より実践的に芝居に取り組みます。 菊本 本科では生徒扱いですが、実習科では教室や先生という概念ではなく、仕事としてやれと言われる。 落合 先生と生徒ではなく、演出家と役者という関係なんです。当然稽古も厳しい。高校の頃とはまるで違う。ダメだしもバンバン出ます。
●そして実習科での3本の公演を通して実力が認められた人だけが、劇団に採用される訳ですね? 小暮 私のときは4名が準劇団員に採用されました。準劇団員になると1年目は新人と呼ばれ、劇団の公演にずっと付くんです。もちろんキャスティングされれば舞台に出ることもできますが、それ以外のときはプロンプターから掃除、お茶汲みまで山ほど仕事は待っている。みんなも準劇団員になれたとしても、最初の1年目は覚悟していた方がいいよ。(笑)
あの頃と違う自分 成長が実感できるから楽しい!
●研究所に入ってから自分自身変わったこと、成長したことは? 宮島 芝居の勉強をするのが初めてだったこともあって、見るもの、やることのすべてが新鮮で性格まで変わったような気がします。特に変化が大きかったのは発声ですね。研究所に来るまでは、普通の生活の中で聞こえればいいくらいの音量しかなかったし、出さなかった。でも、発声の授業を通して自己解放することの大切さ、楽しさを実感してからは、声も大きくなり表現することの面白さがわかるようになりました。 落合 高校の3年間でも芝居についていろいろ学びましたが、研究所本科での1年間は、それよりもずっと中身が濃いものでした。発声や身体など、気が付いたら1年前より成長を感じることが多かったし、周りを見る余裕も生まれたような気がします。 |
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菊本 根本的に考え方が変わりました。学生の頃は優等生で真面目だった。先生にペコペコして・・・。でも、そんなことしていても楽しくない。アレしちゃいけない、コレしちゃいけない、とかじゃなくて、こんなことも、あんなこともしてみることが大事なんですよね。あるとき、先生から「ここは稽古場だから失敗してもいいんだ」と言われたんです。それからは、全部出し切ればいいんだと思うようになった。悩んだり、考えたりすることもあるけど今はこのしんどさが逆に楽しいと思える。 小暮 頭デッカチじゃしょうがない。芝居って自分をさらけ出さないとダメ!鎧なんか纏っていられない。
●それでは最後に小暮さんから後輩にメッセージをお願いします。 小暮 劇団青年座は自由な劇団です。舞台活動はもちろん、プロダクションも兼ね備えていますからマスコミ活動も可能です。自分たちで企画するスタジオ公園もあります。青年座にはホントに凄い俳優がたくさんいます。スタッフの方も素晴らしい方々です。この世界は憧れだけではできませんが、ここに来れば舞台の稽古をしていたり、研究所の授業が行われていたり、いつでも芝居に触れられ、パワーをもらえる。芝居の勉強をするには最適な環境が揃っていると思います。頑張ってください! |
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■劇団青年座研究所 〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1-53-12 URL. http://www.seinenza.com TEL.03-3465-0336 |
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