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飾り牧子の日記 2004ロンドン日記飾り
このページのロンドン日記は「No.1」から順番に下へ並んでいます
2004ロンドン日記(全8話)
 

平成16年11月16日(火)
ロンドン日記 NO1


“ファーイースト”

 今年も、行って来ましたロンドンへ!
9月の旅は今回が初めてだ。恐怖の13時間の空の旅を終えて、やっと到着〜!やっぱり飛行機はどうしても苦手、その上飛行機代は、1月2月の2.5倍ちょっとキビシーな〜。
 
 昨年滞在したノッティングヒルのB&Bに今年もステイした。ホテルはインド系の人達が運営している。オーナーは大きなターバンを巻いてたっぷりとした口ひげをはやした風格ある老年の男性だ。
 「どこから来たのか?」と訪ねる彼に「日本からです」と答えると、「オー、ジャパン!僕たちは小学校の頃ジャパンは、日いづる国と教わったんだ」と彼。
 
 リセプションの男性ともお友達に、彼の生まれはボンベイだ。「日本からどのくらいかかるの?」とたずねる彼に「13時間飛行機に乗りっぱなしなんだ」とぼやくと「えー、直行便で!!!ボンベイからでも8時間、それでも長旅で耐えられないんだ」と彼。

 

 
 そう、日本って世界地図で見ても、一番東。世界のはずれの小さな島国なんだなあ〜と実感してしまいました。
 ロンドンの景色もだいぶ日常の一ページになってきましたが、やっぱり、石の建物の存在感、緑、そして夜、街灯に照らし出されるその街並みに触れると、味わい深く美しく見とれてしまいます。
 日本も、あの味気ない蛍光灯や電信柱がなくなればなあ、とつくづく思う私でした。

 
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ロンドン日記NO2

ここはガーデン?

 最近、植物に懲りだした私、「今まで花は花、緑は緑」としか見えていなかったのですが、ぜんぜーん違うのですね。一つ一つのフォルムも、色合いも、コーディネートも。
 ガーデニングは、絵を描くのと似ているとよく言いますが・・・ それも、刻一刻と変化して、人がきちんと手を入れれば、それに答えてくれるし、思い道りにも行かないし。
 
 ここは、ガーデニングの本場!!!
 今年は景色が違って見えました。一つ一つの庭、日本ではあまりお目にかかれない色使い、濃い赤茶の植物や、ブルーグレーの色味をうまーく取り入れた庭。美しかったです。一軒一軒覗いて歩いていました。
 
 そして、今年ついに行って来たのが“キュウ・ガーデン”。広大なガーデン、と言うより、広大な公園です。シティーセントラルからチューブで40分弱。大きな温室や数々のテーマガーデン。
 マップを広げて一日で歩けるのだろうか?と愕きました。遙か彼方まで、芝生のひろーい道が続き、その彼方にはナイスビューの場所が。

 

 
 幾つものベンチが置いてあり、その背には、メモリアルが書かれています。身内の人や友人が、亡くなった方に愛を込めてベンチを寄付するのです。私も、じめじめした墓石にはいるより、こんな美しい自然の中のベンチになりたいと思ったりして。
 ついにその日は、5時間も歩きっぱなしでした。同じロンドンでも、流れている時間がまるで違います。
 

 
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平成16年11月23日(火)
ロンドン日記 NO3

頭きた!ウエストエンド

 今年も、もちろんお芝居見ました。
ちょっと頭に来ました、私。書かせてくださいね。過激で生意気かもしれませんが。今ウエストエンド、面白くない物がほとんどです。
 よっぽど選んで行かないと、お金ばっかり高くて、ボックスオフィスやプログラム売りの人も高慢、「金巻き上げたるで〜商売や商売」って感じ丸出し。(ごめんなさい急に大阪弁使ってしまって、大阪好きです私。)
 
 今回失敗したのが「Oッコウの巣の上で」でした。映画ではジャックニコルソンがやったあの名作ですが、主演をクリスチャン・Oレーターがやってました。一幕で出ちゃおうかと思ったのは初めてです。
 観客は観光客のみ、それもお行儀のよろしくない。40ポンドもしたんです。チケット!8500円です。美味しいご飯食べた方がよっぽどよかった。
 恐ろしいことに、この芝居各ガイド誌、4つ星お勧めで情報乗っけてました。
 
 どう考えても、観光客から金かき集めます状態。あんまりカッカきて、劇場帰り、ノッティングヒルの街をぐるぐる走り回っちゃいました。この感覚は、私がわがままだからでもなかったようで、その後「イブニングスタンダード」の社説にてこんな内容の物が出ていました。

 

 
   “今のウエストエンドは、ごみためのようになってしまっている。高いチケット。金儲けに走っていて、良質な芝居が爆発していた頃がなつかしい。”そして、印象的な言葉が書いてありました。
 
 “素晴らしい芝居は豚小屋をいっぱいにする。くだらない芝居は宮殿を空っぽにする”“素晴らしい芝居は、見ているときには神聖な沈黙を生み、それは家に帰ってから真実のエクスタシーを生む。くだらない芝居は休憩に入る前から、あー今日は何か面白いテレビやっていたかな〜と考える”
 と言う記事です。これを読んで、ちょっとスカッとした私でした。

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ロンドン日記NO4

やったぜCLOACA!!

 ロンドンに着いて気温は夏日だったのがいきなり、冷え込んできた。私は風邪をこじらせてしまったが、どうしても見逃せない舞台があった。
 
オールドビック劇場に、ケビン・スペーシーが芸術監督として就任した。“ロンドンに新しい血が”と言うことでとても注目されていた。また、その一方で、“ハリウッドで成功したアメリカ俳優が入ってきてそれがどうした・・・”と徹底的無視を決め込むイギリス保守的なムードもぷんぷんとしている。
 
 オールドビック劇場は、1818年創立。ローレンスオリビエが「ハムレット」を演じた劇場としても有名だが、ここのところ勢いがなかった。そして、ロンドンの舞台でも活躍し、アカデミー賞受賞俳優でもあるケビン・スペーシーが芸術監督就任、みずからも、年2回出演するという。今回上演された“CLOACA”では彼は演出だ。何かが始まりそうな予感・・・。
 
 今回、私は初日の券を手に入れた。近くのパブは、スーツ姿の人々であふれかえっている。この人たちがみんな、開演間際にドドッと押し寄せてくる。そして、開演時間。観客は熱気にあふれている。すると、客席の一番前に、ケビン・スペーシーが。ウイットのある挨拶、これから始まる興奮を観客はみんな共有していた。
 

 

 
 “CLOACA”中年男性4人のストーリー。役者の力にぐんぐん引っ張られていきます。これぞまさしくエンターテイメント!客席は爆笑の渦!私も、英語が不自由でも、腹を抱えて笑っていました。
 至福の時、初日の興奮!観客は全員スタンディングオーべーションです。この場を共有している人々は、みんな“新しい血”の成功を大歓迎で迎えていました。でも、保守的ムードはものすごく根強いお国柄。きっと、ケビン・スペーシーは、戦ってくれるだろうと私、期待しています。幸せな一夜でした

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平成16年12月01日(水)
ロンドン日記 NO5

戦争!戦争!

 私も、以前演じた“スカイライト”の作者、デビット・ヘアーの最新作をナショナルシアターで上演していた。“スタッフ・ハップン”。初めてみる手法の芝居だった。作家ヘアーは“これは芝居であってドキュメンタリーではない”とは言っているが、まさにイラク戦争のドキュメントドラマだ。
 
 ブッシュ大統領、パウエル国務長官、ラムズフェルト国防長官、ライス特別補佐官、チェイニー副大統領、ブレア首相、等々あらゆる実在の人物達にそっくりな役者達が、舞台に登場する。今なぜパウエル元国務長官が辞任したのか、そしてその後任にはライス元特別補佐官がなったのか、無知な私にもこの芝居を観ていたので、分かる気がする。
 1870年代後半から、歴史的に起こったこと、記者会見、会談、すべてが次から次に、繰り広げられる。ブッシュ大統領のプライベートな室内での会談なども、その場で事実を見ているようなリアリティーを持って、繰り広げられる。
 
 チケットはすべてソールドアウト。リターンチケットを手に入れるために並んだ。私の後ろのご夫妻は、アメリカ人の旅行客の方だった。別のミュージカルを見に来たのだが上演していず、それならこれでも見てみようかと並んだのだった。そのご夫妻はとっても、明るく気さくなお二人。偶然、席もお隣になった。

 

 
 しかし、2幕からはお二人とも沈痛な面もち、芝居が終わると静かに帰られた。
 
 歴史的事実をつなげてみた時に、そこに見えてくる“物”は・・・。
 
芝居のエンディングで劇場全体から、何とも言えない沈痛な吐息が溢れた。あの一瞬の感覚はたぶん一生忘れられない物になると思う。

 
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ロンドン日記NO6

オックスファム

 ロンドンの街には、“オックスファム”と言うふうに書かれた店がある。はじめはただの古着屋さんかと思ったがそうではない。これはチャリティーショップなのだ。それぞれ、着なくなった古着や小物を地元の人が“オックスファム”に寄付する。そしてこの店で販売。売り上げはすべて恵まれない国の子供たちの学校などに寄付されるのだ。
 
 私はここを覗くのが大好き。もし、お気に入りの物を見つけても、お値段は安く、そして「あ〜、また無駄遣いしてしまった」という罪悪感もない。だって、お気に入りの物が手に入り、私が払ったお金はカンボジアの子ども達の学校に寄付されるんだわ〜と思うと、とっても嬉しくなるもの。
 
 ただ、この“オックスファム”その地域、土地柄によって、ものすごーく品揃えが違います。ナイツブリッジやケンジントン、ハムステットあたりはねらい目かも。

 

 
 私は、ケンジントンの“オックスファム”にてコートを購入。これが暖かい。暖かすぎてのぼせてしまいました。

 
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平成16年12月07日(火)
ロンドン日記 NO7

どこまで行ったら・・・

 以前迷子になったハムステットヒースを、今年は全部制覇しようと、また挑戦しに行きました。私はお昼に食べた「フィッシュ&チップス」の油に当たってしまい。まさにカエルでした。歩くたびに、“ゲップゲップ”。
 
 遠くから、大型中型6匹の犬を連れた女性がやってきました。ワンちゃんはみんなもちろんノーリード。みんなお利口。先頭を歩いてこっちにやって来たラブラドール君に私はご挨拶「ハロー、ハウワーユー?ゲップップ・・・」。女ご主人「あらあら、犬いっぱいでナーバスになっちゃった?」「いえいえ、私、犬大好きですから」と私。
 
 みんなワンちゃんは公園でのびのびと遊んでいます。興奮し過ぎることもなく。大きな池があるのですが、そこは遊泳禁止の立て札が。でも、遠くの方では、人間も犬も泳ぎまくっていました。
 
 公園の外には柵で囲った小さな広場がありました。入り口に何か書いてあります。
 「子供安全保護囲い広場」“この中には犬は入れません”。これにはびっくり!!

 

 
 日本で言う「ドックラン」の子供版です。そして、ワンちゃん達は、広い公園でのびのびです。もちろんしつけされてない犬は一匹もあったことがありません。スバラシイーーー! 私もこれから犬を飼う予定、イギリスで会った犬達のようになれるかな???
 
結局ハムステットヒースは、今年も同じルートを歩いてしまいました。一体どこまで広いんだろう?いまだに謎です。
 

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ロンドン日記NO8(最終回)

テムズ川

 ロンドン最終日は、長旅に備えてゆっくりと、と思っていました。ナショナルシアターのブックショップで買い物をした後は、テムズ川のほとりでぼーーーっと景色を眺めていました。
 
 段々と日が沈み、川面にも影を落としはじめ、でも、なかなか暗くならない空の色。今でも、目に焼き付いています。川縁のベンチには、本を読む人、景色をただただ眺める人、語り合うカップル。ランニングする人。日常のゆっくりした時間が流れています。
 
 今日は、芝居は見ずにゆっくりと・・・と思っていても、目の前でやっていたらやっぱり足は劇場へ。ナショナルシアターにて「埋められた子供」を見ました。私は芝居もすきだけれどそれより、劇場が好きなのかもしれません。
 劇場を後にして、テムズ川の橋を渡りながら見た景色、空の広さ、空気の冷たさ、気持ちよかった。

 

 
 これが最終日、明日はヒースローから東京へ、感慨や寂しさは感じません。でも、テムズの風は私の体の中に染みこんでいきました

 
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